答え:三つの方法があります。
ブッダは人の苦しみを八つに分類しました。その中の一つに「嫌いな人と付き合う苦しみ」というのがあります。ブッダがこのように明言したのは、この苦しみが誰でも避けて通れない真理だからです。まず、この事実を自覚することです。そうすれば、その苦しみが理由で過剰に自分をおとしめたり、または過激に相手を責めることもありません。あなただけが特別なのではなく、誰もが経験することなのです。この事実を客観視して心を乱さないこと、これが第一の方法です。それからブッダは「嫌いな人とは付き合うな」と仰っています。しかし、嫌いな理由があなたのわがままであってはいけません。ブッダは、避けるべき人として次のような人を挙げています。
〇みだりに生きものを殺す人
〇他人のものを盗む人(不倫も同じ)
〇嘘が習慣になっている人
〇酒や薬物に溺れている人
〇他人の過ちを責め立てる人
〇自慢話をする人
〇他人のあらを探して批判する人
〇物惜しみして与えない人
〇すぐに怒る人
〇他人が信じるものを非難する人
こうした人々とは付き合わないことです。これが第二の方法です。しかし、多くのしがらみがある社会で「付き合わない」と決めることは難しいでしょう。相手は古い友人だったり、会社の上司かもしれません。それはブッダが生きた2500年前も同じだったようです。そこでブッダはより現実的な解決策として、心の中ではっきりと距離を置くこと、相手よりも高い境地に立つことをすすめています。つまり、そのような人々と付き合いながらも「自分は決して真似をしない、染まらない」と決意すること。そしてそのような生き方が不幸しかもたらさないことを智慧として理解し、それを不憫に思い相手を憐れむことです。これが第三の方法です。これが最も尊い方法です。それだけに難しいことですが、あなたの思いやりの心、慈悲の心が相手を間違った生き方から更生させるかもしれません。自分も他人も幸せにして、最後には「好きな人」とか「嫌いな人」といった区別そのものをなくすこと、これが最上最善です。
正雲寺副住職 無聖(むしょう)
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