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『修証義』第28節

「しゅしょうぎ」は、道元禅師(1200-1253)のお言葉を集めて作られた曹洞宗の基本聖典です。仏教の要点を全31節にまとめ、仏さまの教えを易しく解説しています。皆さまに仏教とのご縁を深めていただきたいと願い、古文の『修証義』を現代語に翻訳しました。卒業論文で初めて試みて以来、この作業は私のライフワークになりつつあります。私の等身大の『修証義』としてご覧いただければ幸いです。

【現代語訳】
私たちが今こうして仏法を聴くことができるのは、仏祖と呼ばれる過去の偉人たちが、行持(悟っても悟らなくても生涯修行を継続すること)を怠らず、まっすぐに法を伝えてくれたおかげです。もし彼らが正しく法を伝えなければ、今私たちがこうして仏法に出会うことはできませんでした。たった一句の法を聴けるだけでも感謝しなければなりません。ましてや私たちは今、最高の大法である正法眼蔵(仏法の真髄)を聴いているのです。これに感謝しないということがあるでしょうか。〔中国には命を助けられた雀と亀が、人間に恩返しをしたという故事があります〕動物でさえ感謝の心を忘れずに恩に報いるのです。人間が恩を知らずにいられるでしょうか。

【法話】
当たり前のように存在しているものでも、そこに至るまでには数え切れないほどの人々の努力や心遣いがあります。そうした先人たちの努力に思いを巡らすこともなく、ただの偶然や自分の力によるものなどと考えるなら、それは無知と傲慢が過ぎるというものです。受けた恩に感謝する心があるから人間は人間でいられます。ご先祖様から脈々と受け継がれて来た自分の命も、そしてついに出会うことができた仏法に対しても同じです。