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私がおすすめしたい仏教聖典

仏教に関する入門書や解説書はたくさん出版されています。以前、このブログでも、私が愛読していた入門書をご紹介しました。しかし最近になって私は、一番大切な本をご紹介していないことに気づきました。私にとっては、その存在は当たり前すぎて、ことさらに注目する気持ちが起きなかったのです。思えば、人からおすすめの本を尋ねられた時には必ず筆頭にあげる本です。その本とは『ダンマパダ』です。

キリスト教には『新約聖書』、イスラム教には『コーラン』があるように、仏教には『ダンマパダ』があります。これはブッダの言行録です。この本に収録されている言葉は、生前のブッダの言葉に近いと言われています。残念ながら、ブッダの死後に後代の人々によって加筆された痕跡もあり、純粋にブッダの生の声だけが収録されているわけではありません。その選別作業は仏教学者によって現在も進行中ですが、ともかく、ブッダ在世の時代に近いというだけで聖典としての価値を十分に保っています。他にも有名な仏教聖典に『スッタニパータ』があります。こちらの方が『ダンマパダ』よりもさらに時代が古いと言われていますが、その内容には難解な部分も多く含まれています。初学者にも読みやすいという点を考慮して、今回は『ダンマパダ』をご紹介しました。さらに意欲のある方はぜひ『スッタニパータ』もご覧になってください。

『ダンマパダ』の冒頭部分をご紹介します。一番最初の教えが「心」であることに注目してください。神様のような、手の届かない絶対的な存在ではなく、その気になればいくらでも手が届く私たち一人ひとりの心がこの本の主役なのです。

第一章第一節
ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。もしも汚れた心で話したり行ったりするならば、苦しみはその人につき従う。車を引く牛の足跡に車輪がついて行くように。
第一章第二節
ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。もしも清らかな心で話したり行ったりするならば、福楽はその人につき従う。影がそのからだから離れないように。

住職代理 無聖(むしょう)