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あきらめてはダメ

若い頃から自分の好きなように生きてきた人の中には、事にあたって辛抱が足りず、すぐにあきらめてしまう人がいます。好きなように生きるということは、何かを始めるのも自由ですし、終わらせるのも自由ということです。それは、志しや目標をもっている人にとっては良いことですが、ただ何となくその時々で好きなことをし、飽きたらやめるということを繰り返す人にとっては良いとは言えません。そういう人は、簡単なことばかりに手を出し、難しいことは避けがちです。いつの間にか、問題に立ち向かう勇気は退化し、安心を確保できる狭い範囲の中だけで閉じこもって生きることになります。心は弱くなり、妄想や不安を抱きながら生きることになるのです。

世間には、難しいことをしなくても何とか生きていけるという人もあるでしょう。しかしそれは、誰かがあなたに代わって難しいことを引き受けてくれているだけかもしれません。そうだとすれば、あなたは、この苦しみの多い、次から次へと問題が起こる人生において、その人抜きでは生きられないということです。それは、自分の力で困難を乗り越え、その先にある福楽を手にれるという醍醐味(=人生の本当の面白さ)を放棄することでもあります。私は、実際に、丈夫な心身を持ちながら、そのようになってしまった自分を後悔し、途方に暮れるばかりの人を知っています。その人は、「このままではいけない」と頭では理解していますが、口から出るのは、「できない」「したくない」といった言葉ばかりです。あきらめること、人頼みにすることが習慣になっているのです。

私は、特に若い人に言いたいのです。あきらめることを習慣にしないでください。「できない、したくない」といった言葉を口にしないでください。それらの言葉は、耳から入って心に至り、あなたの勇気を退化させます。一つのことに取り組めば、できないと思うことや、したくないと思うことも、たくさん出てきます。おそらくは学校の勉強もそうでしょう。しかしもしそこであきらめてしまったら、「できない、したくない」という言葉を死ぬまで言い続けることになるかもしれません。そのように、自分の世界を狭めて、小さく偏って生きるようなことを、若いあなたにはしてほしくありません。勇気さえあれば何でもできます。勇気はあきらめない心から生まれます。あきらめない習慣が、あなたに自信を与えます。そして、勇気を育ててくれます。勇気が大きくなるほど、目の前の問題はどんどんしぼんで小さくなっていきます。生きる苦しみも、勇気によって、ことごとく福楽に変えることができるのです。「ああ、面倒くさい。こんなことできない。こんなことしたくない」と言いたくなる時は誰にでもあります。「よし、それでもやろう」と踏ん張る人と「やーめた」と簡単にあきらめる人とでは、結局は、手にいれる幸福に大きな違いがあるのです。

住職代理 無聖(むしょう)