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護法山正雲寺 会津本山 > 最新情報 > 2023年 > 2月

入門をお考えの方へ、その前に

入門した後は、過去の古い自分を捨てて、仏弟子として戒律を守りながら新しい自分を育てることになります。これは口で言うほど簡単ではありません。どんな分野も同じでしょうが、本当の意味で人間が変わり始めるのは、修行を始めて三年が過ぎた頃からです。この間は、ただ先輩僧侶の言うことに従い、その真似事をして黙々と修行する日々が続きます。もし入門する前からあなた様に仏道を求める強い心(道心)があるなら修行も受け入れやすいでしょう。しかし、多くの方はそうではありません。実際には入門した後で徐々に道心を育てることになります。そこで求められるのは忍耐力です。自分の思い通りにならなくても、やけになったり、短気を起こしたりしないでやり通す力です。入門に際しては、特別な能力や資格は必要ありませんが、三年間は耐え抜く覚悟は必要です。三年を耐え抜いた力が、それ以降の修行を確かなものにしてくれます。

入門の可否は、履歴書を拝見し、お会いしてお話を伺った上で決めさせていただきます。しかし多くの方にとって仏門は未知の世界であり、不安に思うこともおありでしょう。履歴書を送付する前に一度ご自分の目でご覧になってはいかがでしょうか。住職代理の無聖(むしょう)がご不明の点などをご説明いたします。ご見学はいつでも承っております。ご来寺の日時をお知らせください。

趣味の書写

本日は私の趣味のお話です。何かの学びになるようなお話ではありませんので、気楽にお付き合いくださいませ。

お寺には写経(しゃきょう)というものがあります。漢文のお経を筆で書き写すものです。身近な写経と言えば『般若心経』ですね。ご経験のある方もいらっしゃるでしょう。写経の目的は、願い事を成就させるためであったり、心を落ち着かせるためであったり、またはご供養のためであったりします。しかし、ここで言う私の趣味の書写(しょしゃ)は、これらの目的とは異なり、単に私個人の喜びや楽しみに限定したものです。

書写にルールはありません。お気に入りの筆記具で好きな文章を書き写します。趣味の世界ですから、多少のこだわりがあるほうが面白いかもしれません。私のこだわりは、使い慣れた万年筆を使って縦書きノートにお経の現代語訳を書写することです。経机に正座ではなく、こたつにあぐらで書きます。5分でも10分でも気が向いたときに楽な気持ちで書いています。以前は本を見ながらでしたが、近年は老眼のため活字が見えづらくなってしまいました。そんな私の強い味方は、iPadとキンドルです。キンドルなら活字を自由に拡大して楽に見ることができます。

文章は小説でも良かったのですが、私はお経の現代語訳を選びました。今は『法華経』です。やはり仏教が好きなんですね。勉強なんていう意識はありません。ただ書くことを楽しんでいるだけです。もしこれで仏教への理解が深まるなら嬉しいですが、あまり欲を出さないようにしています。さらにこだわる方なら、万年筆や紙やインクにこだわって楽しむのでしょう。それも楽しい世界ですね。しかし私はそこまではありません。大学入学の時に贈られた万年筆を使っています。万年筆は他の筆記具とは違い、あまり筆圧をかけずに滑らかに筆記できます。その独特の書き心地がある種の快感をもたらします。時々『法華経』と万年筆とどちらが主役なのか分からなくなるほどです。趣味ですからそれも許されるでしょう。

漢文のお経を正座して写経するのと現代語訳のお経をあぐらをかいて書写するのとは、いったい何が違うでしょうか。実のところ、私もよく分からないのです。これはこれで「面白い」と思います。たまにはキーボードから離れて、ゆっくりと日本語を手書きするのも味わいがあって良いものです。皆様もぜひ。

住職代理 無聖