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貧者の一灯

お釈迦様が説法をする時、人々はロウソクを立てて明りを献じたといいます。数え切れないほどのロウソクがお釈迦様を照らしました。富豪たちは、自分の信心を誇示するために、競い合うようにして何千何万もの明りを献じたといいます。

説法が始まって間もなく、竜巻がお釈迦様たちを襲いました。天幕は吹き飛ばされ、人々も立っていられないほどです。富豪たちの明りは、一瞬の内に吹き消されてしまいました。あたりを漆黒の闇が包むかと思われたその時、人々は会場の片隅で弱々しく燃え続ける小さな小さな灯を見たのでした。それは、夫と子供に先立たれ、今は貧しいばかりの老婆が、自分の髪を売って買い求めた一本のロウソクだったのです。不思議なことに、この弱々しい灯は、荒れ狂う竜巻の中でも決して吹き消されることはありませんでした。老婆の灯はやがて隣のロウソクに飛び火し、そのロウソクがまたその隣のロウソクに飛び火して、ついにはすべてのロウソクに再び火をともしたのでした。

この物語は教えています。それは、「行いの大きさが重要ではなく、行いの中にどれだけ愛を込めたかが重要である」ということを。そして「どんなに小さく弱くとも、愛は万人の心を動かす」ということをです。

私は自分の日々の勤め、多くは地味で目立たない小さな事柄ばかりですが、その小さな勤めの中に私の愛をしっかり込めているかを問います。漫然として流れ作業のようになっていないか?友人の神父は「この小さな教会で行う毎週のミサを、最初で、唯一で、最期のミサにしたい」と言いました。彼も自分に問うているようです。

正雲寺副住職 無聖(むしょう)
http://shounji.or.jp